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『雲海の迷宮ZEGUY』を振り返る【女子高生、異世界で土方歳三と諸葛孔明に出会う】

雲海の迷宮ZEGUYは1993年に発売した全2巻のOVAです。

色々な意味で有名なアニメ『DYNAMIC CHORD』の影山楙倫監督が監督を務めたアニメで、女子高生が異世界に迷い込み、土方歳三諸葛孔明に出会うという当時より今の方が興味を持たれそうな導入で、視聴後は妙な爽やかさが残るアニメでした。

そんな本作について取り上げていきます。

導入

太平洋戦争末期と思われる日本で、孔明がゼガイの面を手に入れるところから始まり、孔明を追って現れた土方が関羽張飛と戦い、どちらも雲界へ消えるという導入から始まります。

一方主人公の美希は高校の親友であるさやかとともに雲界に迷い込み、美希が持っていた鈴をさやかが持っていたことからさやかがヒミコの操る物の怪にさらわれました。

やがて雲界をさまよう美希の前に孔明や土方が現れて……という流れで話は進んでいきます。

異世界と歴史

このアニメの特徴としては雲界が異世界であることと、歴史上の人物や出来事を使った小ネタを短い時間で表現していることが挙げられます。

雲界の住民は口を使って喋らずテレパシーのようなものを使って会話し、コウセイセイブツ(話の流れからして鋼性生物と思われるが資料がないため不明)という熱や磁力を発する生物が存在し、源内はこの生物を使って発明品を作っていました。

また雲界と現実世界を繋ぐ雲の通い路は様々な時代と繋がっているため、ヒミコやダ・ヴィンチも出てくるのですが、関羽張飛ダ・ヴィンチの作ったサイボーグとして登場します。

土方や孔明はゼガイの面を追い、現実世界の様々な時代に現れているのですが、坂本龍馬中岡慎太郎の正体がサイボーグの関羽張飛であり、ゼガイの面を奪うため京都に火をつけようとしていたと源内が語るエピソードもありました。

インパクトのある設定です。

また土方が美希の時代の日本がどんな感じなのか聞くエピソードがあり、美希から平和な時代だという話を聞き、「負けて平和か」と虚しさや寂しさのこもったな反応を見せました。

ゼガイの戦士?

異世界の描写や歴史の絡んだ設定では光る部分のある本作ですが、シナリオ面では設定には触れず進みます。

美希は土方と源内、ヒミコとその部下の孔明ダ・ヴィンチの対立に巻き込まれ、さやかがヒミコにさらわれていることが分かり、自分も関わることにしました。

その争いでは孔明は土方を『ゼガイの戦士』と呼びますが、それが何なのかははっきりしません。

土方や源内と一緒にいる雪之丞という猫が重要なポジションにいますが、この雪之丞についても明らかにならないまま。

土方も気づいたら記憶喪失で幕末の時代にいたという設定がありますが、これも伏線として機能しませんでした。劇中土方そっくりな学生が映った白黒写真があったので、本来あった要素をカットした名残ではないかと考えられます。

孔明は美希に催眠術をかけて情報を引き出そうとしますが、結果として美希の力を開放してしまいその後は不明。ダ・ヴィンチも途中から出てこなくなり最後にどうなったのかも分かりません。

その美希の力ですが、美希は雲界の巫女シャムスの子孫であることに理由がありました。美希の持っていた鈴も雲界のもので、それを持っていたことからさやかがシャムスの子孫として間違えられたことが終盤判明します。

ヒミコはゼガイの面や美希が持っていた鈴や、シャムスの子孫を使ってゼガイの門をコントロールすることが目的であることが明らかに。

最後の戦いの後は現実世界に戻った美希の学校に、『壬生誠』という土方そっくりの転校生が現れ、源内と雪之丞の姿も映ったところでエンディングが始まりました。

光る面はあるものの引っ掛かる部分もあり、ふわっとした終わり方をするので手放しではほめにくいアニメですが、見た後は爽やかな余韻があり、最初の『妙な爽やかさが残るアニメ』という表現はここからきています。

雲の通い路

天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ

劇中でも源内が触れていますが『雲の通い路』は百人一首が元ネタ。

この歌では雲の通ひ路を天上と地上を結ぶ通路、をとめは踊りを披露する舞姫を意味し、舞姫は踊りが終わると帰ってしまうので、舞姫を雲の通い路を通ってやってきた天女に例え、雲の通い路が閉じていてほしいと帰るのを惜しむ歌です。

劇中でも元の世界に帰る美希との別れを惜しんだ土方と源内がこの歌に触れました。

パン〇ラ

終盤制服が傷んできたこともあり、美希は一番上の画像のように制服の上下を大きく切って身軽になります。

この出来事以降、美希が大きな動きをするたびにスカートがめくれて下着が見えるのですが、きわどいアングルや変にアップになったりお尻に食い込んだりもせず、美希本人も含めて周囲の誰もそのことを気にしないのである意味新鮮でした。