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『マクロス VF-X』シリーズを振り返る

現在でもシリーズ最新作のマクロスΔが展開中のマクロスシリーズ。

その中にはかつてプレイステーションで2作発売し、現在でもその名残を見ることができるVF-Xシリーズというものがありました。

河森正治さん、宮武一貴さん、美樹本晴彦さん、板野一郎さんが参加し、マクロス7マクロスFマクロスΔにも関連があるため、ただのゲーム化とはいえない内容となった2作について取り上げます。

目次

1作目『マクロス デジタルミッション VF-X』

タイトルは『マクロス デジタルミッション VF-X』。1997年発売で、マクロス7の1年後が舞台です。

  • 地球統合軍の創立記念セレモニーの会場に、ゲストとして招待されたボーカルグループ『ミルキードールズ』が謎の宇宙戦艦により誘拐。
  • 事態を重く見た統合軍はミルキードールズ救出のため、オペレーション・オルフェウスを発動する。

これがゲームの導入で語られるストーリーで、プレイヤーは1人のパイロットとしてあちこちで捕らわれたミルキードールズの5人を救出していきます。

主なキャラクター

本作では主人公=プレイヤーという形式になっており、主人公に名前や顔はないためストーリーに絡むことはありません。

救出したミルキードールズとやり取りする場面もありますが、ミルキードールズ側が一方的に話す構図です。

ミルキードールズ

セレモニーのゲストであると同時にゼントラーディ戦の次期防衛計画サウンドプロジェクトの重要なスタッフでもある5人。

これはミルキードールズのメンバーが歌うことで時間や空間を超えてコミュニケーションがとれる能力の持ち主であることに理由があり、5人はそれぞれ名前と年齢とシンプルな設定がついています。

  • アオイ・ツワブキ。14歳。口数の少ない暗い感じの少女。
  • リアトリス。19歳。少々のことでは動じないメンバーのまとめ役。
  • モーリィ。16歳。思ったことをはっきり口に出すタイプで常に陽気。
  • ビオレッタ。18歳。感情より理論が勝る。
  • フリージア。17歳。どこか間の抜けた年の割に無邪気な性格。

特殊な能力を持った5人組のユニットという点では、マクロスΔワルキューレに近いものがあります。

劇中ではアオイ以外の4人が救出された後で、アオイの居場所を特定するために歌い、その歌が聞こえたアオイを含めた5人による歌をバックに、プレイヤーが操作するバルキリーが敵中枢まで進んでいくという初代マクロスを意識した展開でした。

他にもマクロス7の美保美穂がオペレーターとして登場し、他のオペレーターや整備士もカレン・アレン、ポワン・ホワン、ユーリ・ユイと美保美穂を意識したネーミングでした。

その一方主人公が所属する戦艦の艦長は『艦長』という名前のみで、主人公のライバルのあたるキャラクターも『ライバル』とシンプルとシンプルすぎるネーミング、三角関係の要素もありません。

バルキリー

マクロスの顔の1つといえるバルキリー。本作では以下の7機がプレイヤーが動かせるバルキリーとして登場しました。

HI-METAL R 超時空要塞マクロス VF-4 ライトニングIII 約150mm ABS&PVC&ダイキャスト製 塗装済み可動フィギュア

この中で注目すべきは『VF-4 ライトニングIII』です。

初出の『超時空要塞マクロス Flash Back 2012』ではファイター形態のみの登場でしたが、本作で新たにガウォークとバトロイドの形態が新たに設定されました。

またライバルが搭乗するエネミーバルキリー(ENEMY VALKYRIE)も新たに描き起こされたデザインです。

余談ですがこのエネミーバルキリーはプレイヤー側からは省略してEVA(イーヴァ)と呼ばれていました。

2作目『マクロス VF-X2』

タイトルは『マクロス VF-X2』で1999年発売。劇中ではA.D2050年、マクロスFの9年前が舞台で、頻発する暴動や反乱、シンジゲート犯罪に対応するために作られた部隊、第727独立戦隊VF-Xレイヴンズに所属する主人公エイジスを操作します。

バリアブルビューという視点移動システムを採用し、シナリオ面も強化されマルチエンディングを採用。

統合軍ルートとビンディランスルートの2つのルートが存在し、それぞれのルートで死亡するキャラクターもかわります。その他にもスコア次第でデートの相手が変わるという要素もありました。

また本作の設定やキャラクターは後の作品にも影響を与えているものもあります。

バリアブルビュー

本作の特徴といえるシステムで、自機と敵機か敵ミサイルを常に画面に入るようカメラが移動し、ボタンを押すことで敵機と敵ミサイルのどちらにカメラを向けるか選択可能です。

ファイター時に敵が後ろにいた場合、旋回性能が低ければ変形して敵を捉えてからもう1度ファイターに変形、旋回性能が高ければファイター形態のまま旋回。

敵にミサイルを打たれたら、バトロイドで敵ミサイルを撃ち落とすかファイターで振り切るといったことが可能となっています。

自機を追尾するミサイルが同じところに集まってきてからバトロイドに変形し、ガンポッドで撃ち落とすというアニメのような動きもできます。

2つのルート

この2つのエンディングはラクテンスやビンディランスという組織が絡んできます。

ラクテンスとは地球圏を中心とした一局主導体制を主張する統合政府内の一勢力で、その体制に反発する組織をテロや反乱として、レイブンズのような部隊を派遣して鎮圧(弾圧)していました。

ビンディランスはそれに反発する組織です。

このゲームは終盤、統合軍内のラクテンスに従うか、統合軍を抜けビンディランス側につくかでエンディングや終盤のミッションが変わっていきます。

当時の攻略本ではラクテンス側につくことを統合軍ルート、ビンディランス側につくことをビンディランスルートと呼称していました。

ラクテンス、ビンディランス、レイブンズは小説版マクロスFやマクロスΔに登場し、両作品のキャラクターに関わってきますが、これは小説でしか出てこない設定ややり取りであるため、公式であるは明らかになっていません。

本作に三角関係はなく歌もシナリオには大きく関わりませんが、ミッション名にはWIZARD of OZ(オズの魔法使い)やSINGIN’ IN THE RAIN(雨に唄えば)のような昔の映画やミュージカルのタイトルが使われていました。

ミッション名は実在するタイトルが続きますが、ビンディランスルートでは最終ミッション名のREMEMBER LOVE(愛・おぼえていますか)、統合軍ルートでは最終ミッション名のLOVE GOES AWAY(愛は流れる)として引用されています。

この2つはどちらも初代マクロスに登場するリン・ミンメイの歌で、愛・おぼえていますかは劇場版のサブタイトル、愛は流れるはテレビ版27話のタイトルでもあります。

主なキャラクター

エイジス・フォッカー

このゲームの主人公で、レイヴンズに所属後は上官のギリアムと様々なミッションをこなすのですが、やがギリアムがMIAになると隊長になり、スージーやトーマを部下として迎えることになります。

ある作戦でビンディランス側についたギリアムと接触し、ギリアムについていくか否かが統合軍ルートとビンディランスルートを選ぶ基準でした。

また女性好きな設定があり、ゲーム中でもオペレーターやパイロットを口説くことで反映され、ミッションのスコア次第でデートするエピソードが出てきます。

初代マクロスのロイ・フォッカーと同じ姓ですが関係は不明。

ギリアムアングレート

エイジスの上官で軍のやり方に疑問を感じていたことから独自にビンディランスに接触。その後エイジスをビンディランスに誘います。

これを断る統合軍ルートではギリアムがラスボスとなり倒すと死亡。ビンディランスルートでは戦闘中にエイジスを庇って死亡するため、どちらのルートを選んでも死亡するキャラクターでした。

スージーニュートレット

エイジスの部下として登場。スコア次第ではエイジスとデートするキャラクターで、統合軍ルートでは死亡します。

トーマ・シュン

エイジスの部下として登場。こちらはスージーとは逆にビンディランスルートでは死亡します。

ゲームのオープニングでは4人が並ぶシーンがあるのですが、ゲーム中で4人が揃うことはありません。

オペレーター

本作にはエイミ・クロックス、ブリジット・スパーク、クララ・キャレットの3人がオペレーターとして登場します。

ブリジットとクララはスコア次第でデートイベントが起き、特にクララは呼び捨てするほどエイジスに夢中になりますが、エイミだけはそういったイベントはありません。

バルキリー

本作では以下のバルキリーを操作可能です。

1/100 マクロスVF-X2 VB-6 ケーニッヒ・モンスター

この中で注目すべきはケーニッヒモンスターで、マクロスに元々存在したデストロイドモンスターにバルキリーのような可変機構を加えた機体です。

初出は本作ですが後にマクロスFに登場。

また前作でエネミーバルキリーとして登場したバルキリーも、今作では新たにフェイオスバルキリーという名前を与えられ、ボスとして現れました。

他作品への引用

前述のケーニッヒモンスター以外にも、本作に登場するバルキリーやキャラクターは他作品にも登場しました。その中では特に小説版マクロスFが多いです。

小説版マクロスFでエイジスはマクロス・クォーターの艦長・ジェフリー・ワイルダーの教え子で、オズマ・リーの先輩という立ち位置で登場しました。

他にもVF-X2に登場するマンフレート・ブランドはこの小説版で、マオ・ノーム博士の理論に注目して『ジャミングサウンドシステム』を作り上げたという設定が描写されています。

またマンフレートはマクロスFで重要な存在の『フォールド・クォーツ』を発見した、第117大規模調査船団で調査の責任者を務めており、船団壊滅後に心を閉ざしたランカ・リーに尋問のため冷酷な言動をとりオズマに殴られています。

VF-X2のビンディランスルートでは終盤、ラクテンス側の切り札としてマクロス13が登場しました。

このマクロス13も小説版終盤マクロスFの終盤、初代マクロスに登場したキム・キャビロフ中将の指揮下で登場し、ヴァジュラの迎撃に当たりました。

小説版マクロスFを手掛けた小太刀右京さんは他にもマクロスのノベライズを手掛けているのですが、そちらでもVF-X2の要素が出てきます。

バルキリーを使うレースをテーマとして扱った『マクロス・ザ・ライド』ではVF-X2後も小競り合いが続いており、ラクテンス派の軍人が武装蜂起。

小説版マクロスΔではマクロス・エリシオン艦長のアーネスト・ジョンソンはラクテンス側としてビンディランス側の反統合政府組織・ブラックレインボーと交戦。

ウィンダミア王国はビンディランス側に義勇軍を派兵していたことが描写されています。

ゲームでは2009年にPlayStation Portable(PSP)で発売された『マクロスアルティメットフロンティア』にも、PVでは触れられていませんがVF-X2に登場した機体とミッションを収録。

2013年にPlayStation 3(PS3)で発売された『マクロス30 銀河を繋ぐ歌声』では、主人公のリオン・榊はS.M.Sセフィーラ支社に所属するパイロットという設定。

この惑星セフィーラはVF-X2にも登場し、前述のブラックレインボーとの戦闘の舞台でした。

ゲームとしてはあまり知名度のない2作ですが1作目はシリーズ過去作、2作目は未来の作品と接点があるという立ち位置の面白いシリーズです。

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