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名は体を表す漫画『虚構推理』【1~3巻より】

一般的にミステリーや推理小説と呼ばれる作品は劇中で起きた事件や事故によって生まれた謎を合理的に解決し、劇中で公表するかは別にして真相を明らかにするジャンルです。

名探偵コナン』には「真実はいつもひとつ」という決め台詞があり、『探偵オペラミルキィホームズ』の歌のタイトルには『正解はひとつ!じゃない!!』というものも。

これらは真実や正解を明らかにすることが、ミステリーや推理ものであるという前提で成り立つ言葉ですが、真相が明らかになったうえで嘘(虚構)を提示する逆をいくような『虚構推理』という小説もあります。

この小説は2011年に『虚構推理 鋼人七瀬』というタイトルの小説として出た後で、コミカライズが決まって『虚構推理』と改題して連載が始まり、アニメにもなりました。

そんな本作をコミック3巻までの範囲で世界観や特徴、コミカライズやアニメ化でどう手を加えられたかを解説します。そのため3巻までのネタバレが含まれていることを予めご了承ください。

一眼一足

この物語は岩永琴子が通院先の病院で桜川九朗に出会うところから始まります。

九朗に一目ぼれした琴子は接点を作ろうとするものの、九朗の彼女である弓原紗季に阻まれ何もできません。

そんな状況が数年続いたある日、九朗が紗季と別れたという情報を手に入れたこの機会をチャンスと九朗に話しかけます。

九朗は河童に出会ったことが分かれるきっかけになったと話しますが、琴子は冗談やたとえ話だとは思わず事実として捉えました。

琴子は11歳のときに妖怪やあやかしと呼ばれる怪異から知恵の神になることを頼まれ、片目と片足を犠牲にして知恵の神になり、怪異絡みの様々なトラブルを解決していたからです。

一方九朗も幼少期に祖母からくだんと人魚の肉を食べさせられた結果、不死身の肉体と死ぬことで未来を変える能力を手に入れていました。

そんな2人が様々な怪異に関わっていくのが本作です。

この導入はマガジンポケットで読むことができます↓

この漫画版『虚構推理』ですが、1番の特徴として全編を通してコミカルにアレンジされていることが挙げられます。

原作の小説ではどこか得体のしれない琴子や怪異たちが可愛らしくコミカルに描かれ、特に琴子は九朗の冷めた言動に大きなリアクションで空回りするキャラクターになっていました。

これはコミカライズで意識していたことのようで、琴子のファンになってもらうことをコンセプトにしていることがこちらのインタビューで読むことができます↓

また元の小説が2011年に出たものだからか、劇中のキャラクターの大半がガラケーを使っています。

Twitterでも一部のエピソードを公開しています↓

鋼人七瀬

アニメは2020年に1期の放送があり、2期も発表され2022年10月から放送予定でしたが2023年1月に延期しています。この1期では上記の導入と短編を1つと鋼人七瀬のエピソードを描きました。

鋼人七瀬は原作の小説で最初のエピソードで、死亡したアイドル七瀬かりんの姿をした顔のない亡霊に名付けられた名前です。

この鋼人七瀬がただでさえ周辺に住むの怪異にとっては脅威なうえ、人に害を加えるようになったため、琴子と九朗が解決に動き出すのが鋼人七瀬の大まかな流れ。

この鋼人七瀬ですが実在しないものが、多数の人間に認知されることで実在するようになったもので、その発信源になったのが『鋼人七瀬まとめサイト』です。

七瀬かりんは原作の小説では芸歴についてはデビュー後はパッとしなかったものの、深夜ドラマ『青春! 火吹き娘!』に主演し、主題歌も手掛けたことから人気になったと書いてあるくらいで深堀りはされていません。

これが漫画版では『青春! 火吹き娘!』の一場面が登場し主題歌の歌詞が流れ、アニメではこの漫画で登場した歌詞を元に挿入歌も作られています↓

アニメ1期に合わせて七瀬かりんのTwitterアカウントも作られていて、劇中の七瀬かりんの言動が再現されています↓

この七瀬かりんの死因ですが、警察は『自殺に使い事故死』と判断しており、それが本当かを調べるのが序盤の琴子の目的ですが、警察の判断が正しいことは早いうちに分かり、鋼人七瀬をどうやって消滅させるかに話が移りました。

鋼人七瀬はまとめサイトを通し、たくさんの人間が話題にすることで生まれた虚構の怪物であり、まとめサイトに集まる人々が好き勝手に想像する『死んだ七瀬かりんが鋼人七瀬として復活する』という都市伝説によって生まれた存在です。

一般人には触れることができず(鋼人七瀬側からは触れることができます)、九朗や琴子なら触れることができますが、首の骨を折っても復活するため倒せばいいという存在でもありません。

そのため琴子はまとめサイトの住人が話題にする都市伝説に対し、より面白い仮説をでっち上げそちらを流行らせることで鋼人七瀬を消滅させることにしました。

これがコミック3巻までの大まかな内容で、『虚構推理』では真実はそれほど重要ではなく、それを知ったうえで何をどうするかという点に重点を置いた作品であり、タイトルもこの虚構を組み立てることが由来と考えられます。

アニメ1期では七瀬かりんのアカウントの他、『鋼人七瀬まとめサイト』も作られていましたが話の展開に合わせて現在では閉鎖済み。

また『虚構推理』の公式チャンネルではアニメ1期の放送中、定期的に振り返り動画も投稿していましたがネタバレが嫌な方は避けた方が無難な内容です。

公式チャンネルでは琴子役の鬼頭明里さんによるWebラジオ、『「虚構推理」 虚構ラヂオ』を聞くこともできます(こちらは定期的に投稿あり)↓

原作について

上記のように漫画やアニメの元になった小説は2011年に発売し、2015年には文庫版も発売、その後2020年のアニメ放送に合わせるように2019年にコミカライズを担当する片瀬茶柴先生のイラストを表紙にして発売しました。

作者は城平京先生で、作家として作品を出す以外に漫画の原作も手掛けており、アニメ化した作品だと『スパイラル ~推理の絆~』や『絶園のテンペスト』を挙げることができます。

作者による作品へのコメントはこちらにもあり、「これはミステリではない」という声への戸惑いなどを読むことができます↓

最初に出た小説の表紙は漫画とは全く違う絵柄ですが、漫画やアニメに登場する鋼人七瀬の原型を見ることができます↓

虚構推理 鋼人七瀬 (講談社ノベルス)

文庫版は一般向けを意識したのかシンプルなデザインです↓

虚構推理 (講談社文庫)

2019年に出たものになると、漫画版を担当する片瀬茶柴先生が表紙を手掛けているので、漫画やアニメで見慣れた琴子と鋼人七瀬の姿を見ることができます↓

虚構推理 (講談社タイガ)

虚構推理は小説もシリーズとして続いていますが、それらの表紙も片瀬茶柴先生が手掛けています。

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