※辛口です。
マツモトの行動に疑問の残る2話でした。
第2話『Quarter Note -百年の旅の始まり-』
- 反AI思想のテロリスト集団トァクから相川を守るためビルに潜入するヴィヴィ。
マツモトと対立しつつも相川の救出に成功します。 - その一方でモモカが死ぬことを知ったヴィヴィを、マツモトは力づくで止めました。
ちぐはぐなマツモト
1話でヴィヴィに協力を申し込んだマツモトですが、2話ではヴィヴィに無許可で戦闘プログラムを流し込もうとし、ヴィヴィに対し「信用できない」とまで言いました。
マツモトがこのような言動をとることには違和感があります。
マツモトにとってヴィヴィは他に選択肢のない存在であり、強引な手段をとってでも協力を求めなければならない相手なのに友好的な態度をとろうとはしません。それどころか上記のように煽るような言動をとります。
マツモトに複数の協力者がいて、候補の1人であるヴィヴィをテストしているのであれば話は別ですが、他に協力を求められるAIや人間ははいないため、マツモトが使命を尊重しつつも無条件に受け入れないAIで、ヴィヴィを信用できないというのが本心だとしても、ヴィヴィに対して否定的な言動をとるメリットはありません。
100年前のAIを理解できずバカにしているのなら、割り切って手駒として利用すればいいだけの話です。
ヴィヴィにしか協力を頼めないのであれば、ヴィヴィが気持ちよく動けるようサポートすればいいのにそういったことはせず、無断で戦闘プログラムを流そうとはするけれどビルのセキュリティのように操ろうとはしません。マツモトの行動はちぐはぐに見えます。
また1話でマツモトは100年後のニーアランドの姿を見せることで、ヴィヴィに協力を取り付けていました。
『歌でみんなを幸せにすること』が使命のヴィヴィが100年後、自分がステージで歌っているか分からなくても協力しているのですから、ヴィヴィが人命を何より優先するAIであることは演算できなかったのでしょうか?
マツモトの能力
マツモトはヴィヴィを協力者として選んだ理由を100年後に現存しているからだと言いますが、2話だけでもトァクのゴーグルや爆薬、ビルのシャッターのようなセキュリティまでコントロールしています。
そんなことができるマツモトが何故ヴィヴィだけを協力者として選んだのかについては、100年後の未来で博士が指名した程度のことしか描写がありません。
ヴィヴィの時代の電子機器にあれだけ干渉できるなら、定期的にAIを暴走させて事件を起こして人類にAIへの不信感を植え付け、ソフトとハードの両面でAIの機能に制限をかければ命名法以前の状況になるのでは?
また相川を救出後、マツモトはヴィヴィとの会話でAIはイチかバチかではなく1かゼロかで判断すると話していました。
この台詞自体はおかしくないのですがその直前、マツモト自身が「3流議員」と評した相川にヴィヴィやマツモトについて口外しない確約を、何をもって確約と判断したのかという疑問もあります。
1かゼロかで判断すると自走するマツモトが、相川を信用する根拠となるものが描かれず、ただ確約を得たの一言で済ましたうえで、その直後に3流議員と評価する流れにも違和感がありました。
ヴィヴィの能力
違和感といえばヴィヴィの身体能力にも謎があります。『歌でみんなを幸せにすること』が使命のヴィヴィは天井から落ちた瓦礫にも耐え、ビルからビルへ大きくジャンプしてもが壊れないほど頑丈な体をしていました。
1話で相川のガードマンとやり合えたのは、『ニーアランドに不審者や犯罪者が現れた際に取り押さえるため』という理由でしっくりきますが、2話で見せた身体能力はテーマパークの歌姫にとって必要なレベルをはるかに凌駕。
そのスペックにマツモトはおろか相川やトァクの面々ですら疑問に感じないということは、あの世界ではAIの体はあれ位できて当然と考えられ、トァクの行動に説得力を持たせています。
そんなヴィヴィに対しマツモトは「演算できないのか?」と数度言いましたが、その言い方を真似れば「100年前のAIであるヴィヴィの行動を演算できなかったのか?」と見ていて思う回でした。
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