※以前自分のブログに書いた記事を移したものです。
吸血鬼の存在があっさり受け入れられる日常系なマンガです。
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— アニメ「となりの吸血鬼さん」公式 (@kyuketsuki_san) 2020年2月22日
2年前にアニメ化しましたが放送後も定期的にツイッターの公式アカウントが活動中。
ブルーレイが最終巻まで発売しイベントも終わった後は更新しなくなる公式アカウントも珍しくないので、そういう意味でスタッフに愛されているのが感じられる作品です。
あらすじ
人形が好きな女子高生の灯が魂を持った人形が住むと噂の洋館を探していると、吸血鬼のソフィーに出会います。灯は自分の好きな人形そのもの姿をしたソフィーを気に入り、ソフィーを許可をもらい洋館に住むようになるというのが序盤の流れです。
ソフィー・トワイライト
このマンガの主人公の1人で吸血鬼ですがその言動はかなり独特です。
まず自分が吸血鬼で360歳であることを隠していません。アニメやマンガが好きでサイン会のためなら日中でも出歩こうとし、常にノートパソコンを持ち人から直接血を吸うことをせず、通販で買ったものを飲むなど吸血鬼らしからぬ描写の多いキャラクターです。
ですが日を浴びてはいけない・鏡に姿が映らない・棺桶で眠る・食事をしないなど吸血鬼らしい部分もあるので、現代社会の影響を受けた吸血鬼というキャラクターになっています。
天野灯
上でも書いたように灯はかなりアレな性格のキャラクターで、吸血鬼が呼吸せず体温もなく年を取らないことに魅力を感じ、ソフィーが寝ている間にキャリーケースへ入れて海に連れていくこともありました。人の弱点を知ることに喜びを感じたりもします。
ソフィーが灯の忘れ物を学校へ届けようと日焼け対策でローブを着た姿で学校に行っても、灯の知人ならということで受け入れられます。一言で言うと変わり者ですがだからこそソフィーとの(不自然な)共同生活ができるキャラクターでもあります。
吸血鬼と人間
2人は四六時中一緒ではありません。ソフィーは夜に起きて昼に寝る夜行性な生活をしているので、同じ館に暮らしていても接点がない時があります。
それに食事をしないソフィーは灯が食事をする時一緒にいても血しか飲みません。灯の席には米やおかずといった食事が並びますが、ソフィーは血の入ったコップだけです。そのため灯が気を使って血をかけたかき氷を作ることもありました。
この2つの描写から分かるように一見女の子が仲良くしているだけのように見えるマンガですが、2人は別の種族であることが何度も描写され、それがこのマンガ独特の魅力となっています。
ですがそれは料理の作り方を知らないソフィーのように、ギャグやほのぼのとした話として活用されるのでそこに悲しさや悲惨さはありません。灯もソフィーもお互いの違いを受け入れます。
エリー
1巻の終盤から登場したエリーはソフィーと同じ吸血鬼でソフィーとは顔見知りです。エリーは100年眠っていたので現代の常識を全く知りません。そのこともあり当初は灯を警戒し、人間を動物の肉や内臓を食べる危ない奴と言ったりもしました。
最終的には灯を受け入れるのですが、エリーの登場によってソフィーは吸血鬼であり人間である灯とは違うということがはっきり描写されるようになります。
2巻でも
吸血鬼と人間が違うことは2巻でも描写されます。
ソフィーが灯と出会ったの春で、そこから夏から秋や冬へと季節は変わることで灯や灯の友人であるひなたの制服は長袖になり、私服もニットやセーターを着るようになりますがソフィーやエリーは薄着のまま変わりません。
灯が熱を出した時もソフィーはどうしていいか分からず、エリーは中世の知識を披露するという形で吸血鬼は人間のことを理解しきれないことが描かれます。
線引きと歩み寄り
また2巻には血液を通販で買えないソフィーやエリーに自分の血を吸わせようとする灯に対し、ソフィーは友人を食料としてみたくないと断るエピソードがありました。2人には埋められない違いがありますがソフィーも灯もお互いに歩み寄ろうとしています。
吸血鬼と人間の違いを軸にいくらでもシリアスにできる設定を小出しにしつつ、優しく可愛い話を続けていることがこの作品の特徴であり魅力といえますね。