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SFとファンタジーが入り混じった『グランディアⅡ』の世界観

※以前自分のブログに書いた記事を移したものです。

昨年リマスター版が1作目とセットで販売した本作ですが、SFとファンタジーが入り混じった世界観には独特の魅力がありました。

そんなグランディアⅡの世界観や設定について取り上げていきます。

グラナス教

グラナス教はグランディアⅡの世界に広く伝わる宗教です。

グラナス教の神話では『グラナスの光の下で人々は幸せに暮らしていたが、ヴァルマーによって脅かされ光(グラナス)と闇(ヴァルマー)の戦いが始まった』といった内容。

分かりやすく善の光と悪の闇の戦いが語られましたが、ゲーム中に出てくる古代の記録では、光と闇の戦いは否定しないもののどちらが正しいのかには触れません。またグラナスとヴァルマーの正体も後半で明らかになりました。

グラナスは元々宇宙からやって来た光(エネルギー)であり、当時の人々の研究で人の祈りがグラナスによってエネルギーに変換できることが判明します。

この発見により文明は大きく発展しますが、その反面人々は祈りを強制されるようになりました。ゲーム中にはっきりとした描写はありませんが、人間電池という人をただ祈るだけのエネルギー源とする設定も設定資料集にはあります。

やがてそんな世界に疑問を持つ者が現れるようになり、グラナスに対抗するためにヴァルマーを作り出したのがグラナスとの戦いを始まり。

ヴァルマーはグラナスを元に作られた存在であり、グラナスが人の祈りをエネルギーにするように、ヴァルマーは人にとりつきその人物の欲望をエネルギーに変換することが可能でした。

この2つの戦いがグラナス教の神話で光と闇の戦いとして伝えられます。

グラナス教の神話ではグラナスが勝利したと伝えられますが、実際にはグラナスは消滅しヴァルマーは四散というかたちで決着がつきました。神話は嘘はついてないものの、重要な部分はぼかした内容となっています。

ヴァルマーの破片は世界のあちこちに飛び散り、やがて長い時間をかけて復活しました。その破片が各地で動き始めたのがグランディアⅡ開始時点の世界です。

またグラナス教ではグラナスは神の剣を持ち、ヴァルマーとの闘いではヴァルマーごと地面に剣を突き刺し、その影響で世界のあちこちに巨大なグラナグリフという崖が生まれたとあります。

これもゲーム中で真実が語られるのですが、それは神の剣とはグラナサーベルという剣の形をしたグラナス側の戦艦であり、ヴァルマーとの戦いの過程でグラナサーベルが地面に突き刺さった結果、グラナグリフができたと触れられました

ゲームの中では……

グランディアⅡはグラナス教という宗教が力を持ち、ヴァルマーの破片にとりつかれた少女を救うことを依頼され、そこから旅が始まるという剣と魔法の世界という王道な世界観でありつつも、その一言では片付かない要素を持つグランディアⅡですが、このことはあまり話題になりません。

まさしく王道な前作と極端な次作の間に挟まれているからというのもありますが、それ以上に上記の設定がストーリーにあまり絡んでこないことが原因と考えています。

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ゲームでは序盤、ヒロインのエレナがヴァルマーの一部であるヴァルマーの羽根にとりつかれてエレナの中にミレーニアという人格が生まれ、ミレーニアが現れると外見も変わります。

ゲームでも普段の戦闘ではエレナですが、特定の戦闘ではミレーニアに変わるというかたちで反映していました。

このミレーニアへの変化なのですが、上記の『ヴァルマーは人にとりつき欲望をエネルギー源にする』という部分とは結びつきません。

ゲームではヴァルマーにとりつかれたキャラクターが何人も登場しますが、そっちの方にはミレーニアのような別人格はいませんでした。

このことについてゲーム中では『封印の儀式が失敗したため』と描かれます。この他にも設定資料集では

  • 完全にエレナを乗っ取れなかったためミレーニアという人格が生まれた
  • エレナの抑圧された部分が出てきた
  • エレナの心にヴァルマーが付け入る隙がなかったので、代わりにミレーニアという人格が生まれた

といくつか理由が出てきますが『これが原因』とはっきりいえるものはありません。

封印の儀式が後半出なくなる設定で、封印の儀式に使っていた施設が実は古代に作られたヴァルマーの制御装置だったことが明らかになるため、封印の儀式そのものがよく分からないものになっていました。

グランディアⅡは設定面で作り込んでいない部分がいくつかあります。

主人公のリュードはジオハウンドという何でも屋のような仕事をしていますが、同業者はリュードの師匠に当たる人物しか出てきませんし、ジオハウンドに仕事を仲介するギルドのようなものも出てきません。

またグラナス教の法皇は穏やかで人望のあるキャラクターとして描かれますが、『神(グラナス)がすでに死んで(消滅して)いる』ことに気づき、絶望している一面を持っていました。

そんな法皇はヴァルマーを復活させるのですが、何故そんなことをしたのかは最後まで謎のままで、その理由は設定資料集でも曖昧になままです。

それではゲームではというと悪や闇の象徴として扱われるだけ。

グラナスとヴァルマーの正体や真相も終盤になってから簡単に触れるだけで、ストーリーにほとんど絡まないので、プレイヤーからしてみたら教皇は『突然おかしくなったやつ』でしかありません。

ヴァルマーの封印と呼んでいたものが実はただの制御装置で、人々が封印するつもりでやっていたことはヴァルマーを1つの場所に集め、復活の手助けをしていただけだった。

このことはグラナス教の神官であるエレナにとって、衝撃の出来事になりそうなものですがそんな描写はありません。

グラナスもヴァルマーも光と闇の一言では済まない背景を抱えていますが、リュードたちにとってグラナスは過去の存在で、ヴァルマーはただの危険な存在でしかないのです。

グランディアⅡは魅力的な世界観を持つゲームですが設定とシナリオが上手くかみ合っていない部分があるもったいないゲームでした。

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